順調に髪が増えてきたと喜んでいた矢先、突然また抜け毛が増え始めると、「薬が効かなくなったのか?」「AGAが進行してしまったのか?」とパニックになるのは当然の心理ですが、治療開始から半年〜1年程度で起こる抜け毛の増加は、多くの場合「2回目の初期脱毛」である可能性が高いと言えます。AGA治療薬、特にミノキシジルはヘアサイクルにおける「成長期」を延長させ、「休止期」を短縮させる作用がありますが、治療によって一斉に成長期に入った髪の毛たちは、やがて寿命を迎え、ある程度の期間を経て再び休止期に入り、そしてまた成長期へと移行します。治療前はバラバラだったヘアサイクルが、薬の作用によってある程度「同期」してしまうため、まとまった数の髪が一時的に抜け落ちる時期が周期的に訪れることがあり、これを2回目の初期脱毛と錯覚してしまうのです。しかし、注意しなければならないのは、これが本当に初期脱毛なのか、それとも他の要因による脱毛なのかを見極めることです。例えば、季節の変わり目(特に秋口)は動物の換毛期のように人間も抜け毛が増える時期ですし、極度のストレスや急激なダイエット、睡眠不足などの生活習慣の乱れが原因で一時的に抜け毛が増えている可能性もあります。また、稀なケースですが、体に耐性ができて薬の効果が薄れてきている場合や、AGAの進行スピードが薬の効果を上回ってしまった場合も考えられます。見極めのポイントとしては、抜けた毛を観察し、細く短い毛(成長しきっていない毛)が多い場合はAGAの進行を疑うべきですが、太くしっかりした毛(寿命を全うした毛)が抜けているのであれば、それは健全な生え変わりである可能性が高いでしょう。いずれにせよ、自己判断で薬を増減したり中止したりするのは危険ですので、再発した抜け毛が1ヶ月以上続くようであれば、必ず専門のクリニックを受診し、医師の診断を仰ぐことが、後悔しないための最善策です。