近年では清潔感を求めて縮毛矯正を利用する男性が増えていますが、安易に施術を受けた結果として逆に薄毛が目立ってしまい、まるでハゲてしまったかのような悲劇的な仕上がりになってしまうケースが後を絶ちません。これは実際に髪が抜けて本数が減ったからではなく、くせ毛特有のボリュームが失われたことによる視覚的な錯覚と、ヘアスタイルとしてのバランスが崩壊したことが主な原因です。本来、くせ毛のうねりや縮れは一本一本の髪の間に空間を作り出し、髪全体をふんわりと見せる天然のボリュームアップ効果を持っていますが、縮毛矯正によって髪が真っ直ぐになりすぎると、その空間が完全に消失し、髪が頭皮にペタリと張り付くようなシルエットになってしまいます。特に男性の場合、女性に比べて髪が短いため髪の重さで下に引っ張られる力が弱く、根元からピンピンと不自然に立ち上がったり、逆につむじや分け目がパックリと割れて地肌が露骨に見えてしまったりする現象が起きやすく、これが「ハゲた」という印象を周囲に与えてしまうのです。また、M字部分の後退を気にしている男性が前髪を真っ直ぐにしすぎると、額の広さが強調され、すだれのような前髪になってしまうことで、かえって薄毛の印象を強めてしまうという皮肉な結果も招きます。このような失敗を防ぐためには、美容師に対して「完全に真っ直ぐにする」というオーダーをするのではなく、「くせを扱いやすくする」「ボリュームを残しつつうねりを取る」といったニュアンスで伝えることが極めて重要であり、薬剤の強さを調整したりアイロン操作で丸みをつけたりするデザイン矯正の技術が求められます。さらに、全体にかけるのではなく、ボリュームが出すぎて困るハチ周りや襟足だけを抑え、トップや前髪の根元はあえてかけないというポイント施術を選択することで、必要なボリュームは残しつつ清潔感を出すという理想的なスタイルを作ることが可能です。男性の縮毛矯正は、単にくせを伸ばすことではなく、コンプレックスを解消して格好良く見せることが目的のはずですから、薄毛のリスクを理解した上で、自分の髪質と骨格に合ったオーダーメイドの施術を提案してくれる美容師と二人三脚で作っていくべきなのです。
男性が直毛にして薄毛が悪化して見える理由