現代社会において避けて通ることのできないストレスは、心の問題に留まらず脂漏性脱毛症の発症や悪化に直接的に関与する大きな要因となっており、メンタルケアなしにこの病気を語ることはできません。人間は強いストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ交感神経が優位になりますが、この状態が続くと男性ホルモンの分泌が活性化され、皮脂腺を刺激して必要以上の皮脂を分泌させるように指令が出されます。同時にストレスは免疫機能を低下させるため、普段であれば免疫によって抑え込まれているマラセチア菌の増殖を許してしまい、結果として炎症と抜け毛が引き起こされるという負の連鎖が始まります。さらに厄介なのは、薄毛やフケといった目に見える症状自体が新たな強力なストレス源となり、鏡を見るたびに落ち込み、人目が気になって外出が億劫になるといった精神的な苦痛がさらなるホルモンバランスの乱れを招き症状を悪化させるという悪循環に陥ることです。このスパイラルから抜け出すためには、治療と並行して自分なりのストレス解消法を見つけ、意識的にリラックスする時間を確保することが不可欠です。十分な睡眠は最高の特効薬であり、睡眠中に分泌される成長ホルモンはダメージを受けた皮膚細胞の修復を促し、副交感神経を優位にして心身の緊張を解きほぐす効果があります。また適度な運動は血行を促進し頭皮への栄養供給をスムーズにするだけでなく、ストレス発散効果によってホルモンバランスを整える助けともなります。趣味の時間を持ったり、信頼できる人に悩みを相談したりして心の重荷を下ろすことも大切ですし、完璧主義をやめて「少しくらいフケが出ても死ぬわけではない」と開き直るくらいの心の余裕を持つことが、結果として治療の効果を高めることにも繋がります。心と体は密接に繋がっており、頭皮の健康を取り戻すためには心の健康も同時にケアするというホリスティックな視点を持つことが、再発を防ぎ健やかな生活を送るための基盤となるのです。
ストレスが引き金となる頭皮トラブルの悪循環