後頭部の薄毛の主犯格とも言えるのが、首や肩の慢性的な凝りに起因する頭皮への血流不足であり、心臓から送られる血液は首を通って頭部へと運ばれるため、このパイプラインが筋肉の緊張によって圧迫されると、どんなに栄養価の高い食事を摂っても育毛剤を使っても、肝心の後頭部の毛根には届かないという事態に陥ってしまいます。この「頭皮の兵糧攻め」状態を解消するために最も即効性があり効果的なのが、温めることとほぐすことを組み合わせた温感マッサージ術です。まず準備として、蒸しタオルや市販のホットパックを使って首の後ろから肩甲骨周りをじっくりと温め、血管を拡張させて筋肉を緩めることから始めます。これだけでも血流が改善され頭が軽くなるのを感じるはずですが、さらに効果を高めるために、両手の指を組んで後頭部に当て、親指の腹を使って首と頭蓋骨の境目にある「風池(ふうち)」や「天柱(てんちゅう)」といったツボを、息を吐きながら痛気持ちいい程度の強さで5秒間押し、ゆっくりと離すという動作を繰り返します。次に、耳の後ろから後頭部に向かって頭皮を持ち上げるように円を描きがら揉みほぐし、凝り固まった頭皮を頭蓋骨から剥がすようなイメージで動かしていくと、滞っていた血流が一気に流れ出す感覚を味わえるでしょう。また、首の横にある胸鎖乳突筋を優しくつまんでほぐしたり、肩を大きく回して肩甲骨を動かしたりすることも、頭部への血流ルートを確保するためには欠かせないプロセスです。このマッサージは入浴中や就寝前に行うのがベストで、リラックス効果により副交感神経が優位になり睡眠の質も向上するため、成長ホルモンの分泌も促されて一石二鳥の効果が期待できます。毎日わずか5分でもこの習慣を続けることで、岩のように硬かった後頭部の頭皮が徐々に柔らかくなり、血色が良くなってくれば、それは髪が育つための土壌が整ってきた証拠であり、やがて太く元気な髪が戻ってくる日が近づいていることを意味しているのです。
血流不足を解消する首と肩の温感マッサージ術