薄毛治療を始めて数ヶ月、一度は乗り越えたはずの初期脱毛の悪夢が再び襲ってくるなんて想像もしていなかったという方は少なくありませんが、実は「初期脱毛が2回起こる」という現象は医学的に決してあり得ない話ではなく、むしろヘアサイクルが正常化に向かっている証拠である可能性が高いのです。通常、初期脱毛は治療開始から2週間〜1ヶ月程度で始まり、休止期にあった古い髪が新しい髪に押し出される形で抜け落ちますが、人間の髪の毛は約10万本あり、全ての毛穴が同時に同じサイクルで動いているわけではありません。つまり、1回目の初期脱毛で反応しきれなかった休止期の毛包群が、治療の継続によって遅れて活性化し、数ヶ月後に2回目の生え変わり時期を迎えることで、あたかも初期脱毛が再発したかのような抜け毛の増加が見られることがあるのです。これを「二次的初期脱毛」や「ヘアサイクルの同調による一時的な脱毛」と呼ぶこともありますが、重要なのはこれが薬の効果がなくなったサインではなく、むしろ薬が効いてさらに多くの毛根が目覚めようとしているポジティブな反応であると理解することです。また、別の可能性として、治療薬の濃度を上げたり種類を変更したりしたタイミング(例えばミノキシジルの濃度を5%から10%に上げた場合など)で、より強力な発毛シグナルが送られ、改めて初期脱毛が誘発されるケースもあります。乗り越え方としては、まず焦って治療を中断しないことが何よりも大切で、ここで止めてしまうとせっかく育ち始めた新しい髪まで失うことになりかねません。不安であれば主治医に相談し、マイクロスコープで頭皮を確認してもらうことで、短い新生毛が生えているかチェックしてもらうと精神的に安定します。2回目の初期脱毛は1回目よりも期間が短く、量も少ない傾向にあるため、「これはゴール直前の最後の試練だ」と前向きに捉え、生活習慣を整えながら嵐が過ぎ去るのを待つ姿勢が、フサフサな未来への最短ルートとなるのです。