私はかつて自分の強いくせ毛が許せず3ヶ月に一度は必ず縮毛矯正をかけないと気が済まないいわゆる縮毛矯正依存症のような状態に陥っていた時期がありましたが、その過剰な美意識が仇となってあわや取り返しのつかないハゲになりかけた恐怖体験をお話しすることで同じ過ちを犯す人を一人でも減らせればと思います。当時の私は少しでも根元のうねりが出てくるのが許せず、美容師さんが止めるのも聞かずに全体に強い薬を使って伸ばしてもらうことを繰り返していましたが、ある日いつものように施術を終えて家に帰り鏡で頭頂部を確認した時に血の気が引くような光景を目の当たりにしました。つむじ周りの髪が根元からポッキリと折れ曲がり、手のひらで触るとジョリジョリとした不快な感触があり、さらに枕元には見たこともない量の短い切れ毛が散乱しており、明らかに髪の密度が半分以下になって地肌が丸見えになっていたのです。これは根元折れと呼ばれる現象で、薬剤を根元ギリギリまで攻めすぎたことと頻繁な施術によるダメージの蓄積が原因で髪が耐えきれずに折れてしまった結果であり、さらに最悪なことに薬剤が頭皮に付着していたらしく頭皮全体が赤くただれて炎症を起こし、そこから数週間は洗髪のたびに恐怖で震えるほどの抜け毛が続きました。私はパニックになり皮膚科に駆け込みましたが医師からは頭皮が重度の接触性皮膚炎を起こしており毛根も弱っているためしばらくはカラーもパーマも一切禁止という宣告を受け、そこからの1年間はまさに地獄のような日々でした。サラサラのストレートヘアを手に入れるはずが、ボロボロの切れ毛と炎症による脱毛でウィッグなしでは外も歩けないような状態になり、自分の浅はかな判断と髪をいじめ抜いてしまったことへの後悔で毎晩泣いて過ごしました。幸いにも適切な治療と休養期間を経たことで現在は髪も回復しましたが、この経験から学んだ教訓は髪には体力の限界があるということであり、どんなに美しくなりたくても過度な施術は必ず代償を伴うという事実です。今は半年に一度、信頼できる美容師さんに相談しながら、伸びてきた根元のリタッチのみを行うようにしており、頭皮の状態が少しでも悪い時は勇気を持って施術を延期する判断もできるようになりました。もし今、頻繁に縮毛矯正をかけていて抜け毛や頭皮の違和感を感じている人がいたら、それは髪からのSOSサインですので、どうか手遅れになる前に一度立ち止まって髪を休ませてあげてください。