私たちが普段鏡を見る時、どうしても顔の正面や生え際ばかりに意識が向きがちで、自分自身の目で直接確認することができない後頭部はまさに「死角」となっており、それゆえに薄毛の進行に気づくのが遅れ、発見した時には既にかなり進行してしまっているというケースが非常に多いのが実情です。私が自分の後頭部の惨状を知ったのは、友人が何気なく撮ってくれた後ろ姿の写真を見た時で、そこに写っていたのは自分が想像していたふさふさの後頭部ではなく、つむじの下あたりからうっすらと地肌が透け、髪の毛が頼りなくへたり込んでいる衝撃的な姿でした。「まさか自分が」という信じられない気持ちで合わせ鏡をして何度も確認しましたが、現実は残酷で、触ってみると確かにその部分だけ髪のボリュームがなくペタンとしており、頭皮が硬く張っているような違和感さえありました。思い返してみれば、最近枕元に落ちている抜け毛が増えたような気はしていましたが、まさかAGAになりにくいと言われる後頭部が薄くなるとは夢にも思っておらず、完全に油断していたのです。その日から私は恐怖に駆られてインターネットで情報を漁り始めましたが、多くのサイトでは「後頭部の薄毛はストレスや血行不良が原因」と書かれており、当時の私は仕事で連日深夜までパソコンに向かい、慢性的な肩こりと睡眠不足に悩まされていたため、まさに自分の生活そのものが髪を蝕んでいたのだと痛感させられました。見えない場所で静かに進行するこの症状は、まるでサイレントキラーのように私の自信を奪っていきましたが、逆に言えば写真という客観的な証拠を突きつけられたことで「このままではいけない」と奮起するきっかけにもなりました。それ以来、私は定期的に家族に頼んで頭の後ろの写真を撮ってもらうことを習慣にし、美容院でも担当の方に後頭部の状態を詳しく聞くようにしていますが、この「見えない場所を意識的に見る」という行為こそが、後頭部の薄毛対策における最初にして最大の防御策であると、実体験をもって断言できます。