長年のコンプレックスである頑固なくせ毛を解消しようと縮毛矯正をかけた結果、予想もしなかった事態に陥り鏡の前で愕然とする人が後を絶ちません。それは、うねりが解消されてサラサラのストレートヘアになった代償として、髪全体のボリュームが極端にダウンし、これまでくせ毛の膨らみによって隠されていた地肌が露わになってしまうという現象であり、特に頭頂部や分け目の薄さが強調されてしまうことです。このメカニズムは物理的に非常に単純で、くせ毛特有のねじれや歪みが一本一本の髪の毛の間に空気の層を作り出し、それが視覚的なボリュームとして機能していたものが、薬剤と熱の力で真っ直ぐに引き伸ばされることで隙間がなくなり、ペタンと頭皮に張り付くようなシルエットになってしまうために起こります。薄毛を気にしている人にとって、この「ペタンコ髪」は死活問題であり、清潔感を得るつもりが逆に貧相で老けた印象を与えてしまうという悲劇的なミスマッチを引き起こしかねません。しかし、だからといって縮毛矯正を諦める必要は全くなく、施術方法やオーダーの仕方を工夫することで、くせを抑えつつボリュームを残すという理想的なバランスを実現することは十分に可能です。重要なのは「根元まで攻めすぎない」という勇気ある選択であり、通常であれば根元ギリギリから薬剤を塗布してアイロンを通すところを、あえて根元数センチを外して施術することで、生え際の自然な立ち上がりを残し、地肌の透け感を防ぐことができます。また、薬剤の選定においても、アルカリ度の高い強力なものではなく、酸性領域で反応する優しい薬剤を使用することで、髪のハリやコシを奪わずに自然なストレートに仕上げる技術も普及してきています。薄毛が気になるからこそ、ただ真っ直ぐにするのではなく、デザインとしての矯正を美容師と相談しながら作り上げていく意識が不可欠です。美容業界の技術革新は日進月歩であり、かつては「縮毛矯正=ボリュームダウン」という常識が支配していましたが、現在ではその常識を覆すような、くせを伸ばしながら根元のボリュームアップも叶えるという夢のような最新テクニックが登場し始めています。その一つが「ルートパーマ」や「プリカール」といった根元専用のパーマ技術と縮毛矯正を組み合わせるハイブリッドな施術であり、くせが気になる中間から毛先にかけてはストレート剤で収まりを良くしつつ、ペタンとなりやすい根元部分には専用のロッドやクリップを使って立ち上がりをつける薬剤処理を行うことで、ふんわりとしたトップとまとまりのある毛先を同時に実現することが可能になっています。また、薬剤自体の進化も目覚すごく、髪の弾力を司るシスチン結合を過剰に切断せずに、形状を記憶させる架橋剤を含んだ処理剤などが開発されており、これにより施術後の髪が硬くならず、まるでゴムのような弾力としなやかさを保ったままストレートヘアを楽しむことができるようになっています。
くせ毛を伸ばすと地肌が透ける原因と対策